基本情報

事業名 日本学術振興会 研究拠点形成事業
アジア・アフリカ学術基盤形成型
課題番号 JPJSCCB20220006
研究交流課題名 グローバル感性イメージング科学技術のアジア拠点形成
日本側拠点機関 千葉大学
コーディネーター 溝上 陽子(千葉大学 工学研究院 教授)

研究交流計画の目標・概要

日本が中心となり、グローバル感性イメージング科学技術のアジア拠点をつくる

 本事業では,発展が著しく多様なアジア,特に東南アジアのタイ,マレーシア,ベトナム,カンボジア,中東の窓口でもあるトルコ等とネットワークを形成し,イメージングテクノロジーおよび画像科学の研究拠点を形成することを目的としています。
イメージングテクノロジーは,従来の印刷や写真技術から,デジタル画像処理,色彩,画像著作権保護,アニメーション,画像圧縮や再現技術,電子ペーパー等の先進・汎用表示デバイス,先端プリンティング技術,3次元計測,3Dプリンタを含むプロトタイピング技術,記録材料,半導体や医療分野などへの微細加工技術,バイオ・分子イメージング技術,コンピュータグラフィクス(CG),仮想現実(VR),拡張現実(AR),人工知能,ビッグデータを含む包括的技術であり,質感・感性・人間工学にも繋がっています。
 グローバリゼーションをもたらすインターネットなどの情報メディアでは,画像や映像データを用いたコミュニケーションが主であり,次のSociety 5.0に向けて画像技術のソフト面強化が必須です。特に,withコロナ時代における国内外のリモート・コミュニケーション環境改善は喫緊の課題です。さらに,イメージング科学技術は様々な技術領域と結びついており,教育,医療,産業におけるイノベーションをもたらすことが期待されます。感染防止対策と持続可能な開発目標(SDGs)の両立が難しい事例に対しても,画像のハード面と関連新技術が貢献できると考えられます。イメージング分野の日本の技術水準は極めて高いことから,日本こそがリードして戦略的に取り組む課題といえます。日・中・韓のテクロジー競争のなか,東南アジア・中東地域で日本の技術への理解・共感を得ること,さらに協同してグローバル感性に基づくイメージング科学技術のさらなる発展を目指すことは,将来的な波及効果を考えても重要です。
 具体的な目標としては,以下の2つを掲げています。

  • 日本の画像関連学会を統合した画像関連学会連合会の支援のもと,国際学会やシンポジウムを開催し,研究者の招聘・派遣を通じて研究交流を行い,画像科学のアジア最先端研究拠点の構築を目指します。
  • 産業界からの外部資金を基にした千葉大学イメージング教育ラボラトリーを研究拠点化する。充実した研究設備を活用して,相手国研究拠点との共同研究を推進するとともに,交流国の技術水準やニーズに合わせた効果的なイメージングテクノロジー教育プログラム開発をすることにより,交流国全体の技術水準の底上げを図り,将来の共同研究の更なる推進を担う人材育成を目指します。

本計画では,下記の共同研究,セミナー,研究者交流を密接に連携しながら実施します。